「モアナと伝説の海」は2016年公開のディズニー映画です。
この映画、子育てのポイントがギュッと詰まった映画であると30回見た私は声を大にして言いたい!
何故30回も見たかって?2歳の娘がどハマりしたんです。1カ月間モアナをエンドレスリピートして得た気付きをここに残します。
そう、モアナって「根拠のない自信に満ち溢れた女の子が逆境の中で自分の無力さを知り、それを前向きな姿勢で克服して成功し、裏付けのある自信を得て帰ってくる」サクセスストーリーなんだよな。根拠のない自信って大事よね、底から湧き出る自己肯定感。娘にもまずは根拠のない自信を纏って欲しい。
— a n n i e (@annie_in_tokyo) May 6, 2020
1.主人公・モアナの根底にある「根拠のない自信」
モアナはとある島の村長の娘として、両親や祖母、そして村の皆に大切に育てられました。
そしていつしか島の外、海を越えた場所に興味を持つようになります。そして祖母に促され、一人で船に乗り、村を脅かす問題を解決するため旅に出るのです。
しかしモアナは船の操り方すら知りません。モアナを危険な目に合わせたくないと願った父親が、モアナが船に乗ることを固く禁じていたからです。
船の操り方すら知らないモアナが勇気を持って島の外に出られたのは、両親や祖母がモアナを無条件に愛し、信じたことによって培われた「根拠のない自信」があったからでしょう。
特に母親がモアナを思う気持ちは、モアナが無謀な旅に出ようとする時に涙を流しながらもモアナの荷造りを手伝い送り出す場面に表れています。本当は我が子が心配でたまらないはずです、それでも送り出すのは我が子を信じているからです。
2. モアナの挫折と「根拠のある自信」の習得
ところが旅に出て早々にモアナは挫折を味わいます。嵐に揉まれ座礁し、共に旅をすることになったマウイにけちょんにけちょんに貶されるのです。「船にも乗れない!村に帰って赤ちゃんにキスでもしてな!」
しかしモアナは諦めません。勇気ある行動で船の達人であるマウイの信頼を勝ち取り、船の操縦の教えを請います。
船を自在に操れるようになったモアナは「根拠のある自信」を手に入れます。自ら挫折を乗り越えた経験はゆるぎない自信に繋がります。ただし挫折を乗り越えるには「自分にはできる!」という「根拠のない自信」が必要なのです。
3. 「根拠のある自信」は新たな道を切り拓く
本物の自信を手に入れ、村を脅かす問題を解決したモアナは晴れて故郷の村に帰還します。そして新たな村長として村を導く存在になるのです。
特にこのカットは感動的です。
代々の村長が石を重ねてきた場所に、モアナの置いた花が佇んでおり、その向こうにはこれまで村が封じてきた船を漕ぎ出す人々が見えます。モアナが積んだ経験は村に新たな風を吹き込みます。
4. モアナが従来のプリンセス像と一線を画す理由
ここまで読んで下さった方はお察しかもしれませんが、モアナは従来のプリンセスとは異なります。王子様も出てこなければ、助けを待つシーンもありません。高い自己肯定感とコミュニケーション能力を持つ彼女は、現代において理想的な女性像と言えるでしょう。
蛇足ですが、2010年公開の「塔の上のラプンツェル」の主人公ラプンツェルとモアナは真逆かもしれないと個人的に思ったりします。ラプンツェルは自己肯定感が低く、毒親育ち。恋に落ちて目を覚まし、最後は血統の力に救われます。(もちろんラプンツェルも大好きなのですが)
5. 「根拠のない自信」の大切さ
「根拠のない自信」というのは「自分は親に愛されている」「自分は親から受け入れられている」「親から大切にされている」という自信であり「自分は価値がある人間だ」と子供が自分の存在を心から信じている状態です。
(船津徹『世界標準の子育て』,ダイヤモンド社)
「根拠のない自信」が大きく安定していれば、その上に積み上げていく勉強や習い事、友達付き合いなでおすべてが安定する、と言われています。
育児本の内容がすべて正しいとも思いませんが、まあ体感として正しいのでしょう。我が子にもできればモアナのように「根拠ない自信」を身に着けてもらいたい、そしていつか私の元を離れ羽ばたいてゆく時にも「自分は価値ある人間」だと信じていてほしいなあと思うのでした。